さて、本日もしっかり授業しましょうか!
こんにちは、体臭防止アドバイザー&わきがのがっこう校長のケイタです!
今回は、前回に引き続き、「自己臭恐怖症」をテーマに授業をします。
まずは、前回の復習です。
わきがだと思っている人は、僕の周りにはたくさんいますが、話をよく聞いてみると、「自分ではそう思う」「家族にそう言われた」というように、身近かつ少人数の人にしか、わきがだと思われていないケースが多々あります。
よくよく考えてみましょう。
「実はわきがじゃないんじゃないの?」ということはないですか・・・?
というのが、前回の内容でした。
専門家に診断してもらわないと、本当にわきがかどうか分からないですからね。
あまり覚えていらっしゃらない場合は、前回の授業に戻って、しっかり復習してくださいね。
では、復習を終えたところで、いよいよ「自己臭恐怖症」について話をしていきましょう!
今日のお話の目次(もくじ)
自己臭恐怖症とは?
「自己臭恐怖症」
という言葉、あなたは聞いたことありますか?
わきがや体臭についてそれなりに調べたことがある方は耳にしたことがあるかもしれませんが、多くの方は知らないでしょう。
街中で聞くことはないでしょうし、情報番組で取り上げられてやっと言葉を知るくらいだと思います。
しかし!!!
この言葉、におい業界・わきが業界では本当に大きな問題として取り上げられています。
僕もにおいが気になる人のコンサルティングをする際、「自己臭恐怖症」のことは常に頭の片隅・・・ではなく、ど真ん中に置いておくくらい重要なことなんですよ。
すこーし話が脱線しますが、重要なことなので話しておきます。
コンサルティング・・・というより、僕のやっているのはカウンセリングに近い気もしますが、行う際に重要なスキルの一つに「傾聴」というものがあります。
「傾聴」というスキルは、「相手の気持ちにより添い、共感して、相手の気持ちを引き出す」というもの。
「うんうん、分かるよ・・・」みたいなことですね。
例えば、わきがコンサルであれば・・・。
クライアント:「私、いつも脇が臭くて・・・。お風呂に入ってもすぐ臭ってくるんです・・・」
僕:「そうですか、大変ですよね・・・」
のような受け答え。
この際、僕の頭の中ではこうなっています。
僕:「そうですか、大変ですよね・・・(この人、自己臭恐怖症じゃないよな、そういう傾向見られないかな?)」
常に自己臭恐怖症のことは、わきがや大衆のアドバイスをしている間は思い浮かべてるんですね。
おそらく、わきがの診断をする医師も同じだと思います。
すみません、本筋に戻しますね。
この「自己臭恐怖症」。
どういうものかと申しますと、
「自分が臭いのではないか、臭いと思われているのではないか」と思い込み、わきがや強い体臭がなくても、臭いと感じてしまうもののこと。
別名「自己臭妄想症」です。
自己臭恐怖症の、何が問題なのか?
自分のにおいがあまり強くないのに、「臭い」と思い込んでしまうわけです。
ですから、こういうことに陥る可能性があります。
・わきが対策をする必要がないのに、常にデオドラント剤を使ったり、人前に出るのを避けたりする。
・わきが手術を申し込んだが、「わきがではないですよ」と断られる。
もともとわきがではないのですから、エチケット程度に対策をしておけばよいはずですが、それにとどまることなく、完璧なわきが対策をしてしまう。
軽度なもので言うと、においを消すために香水を使う場合があると思いますが、「自分は臭いからたくさんつけなきゃ」と思って香水をバシバシ使い、結果的に「香水臭い」ということになる、なんてことがあります。
また、当然のことながら、自己臭恐怖症の人は「わきがだから手術したいんです」と言っても、「あなたわきがじゃないから手術しても変わりませんよ」と言われる。
そうすると、どうやってにおいに向き合っていけばいいか、思い悩んだりするわけです。
ということで、自己臭恐怖症というのは上記のような問題があります。
・・・と、これで納得しないでくださいね。
この程度なら、そんな大きな問題ではないでしょ?
僕から言わせると、体臭は誰でもあるものだから、わきがであろうとなかろうと、適切な対策をして気持ちが落ち着けばそれでいいのです。
実際、においのアドバイスを僕はしていますが、僕は医師じゃないので「絶対わきがです」とは判断できない。
だから、「においが強い」という人には、その人の気持ちによりそった上で、わきがであってもなくても、体臭が強くても弱くても、影響のないアドバイスをまずします。
もちろん、その後の経過は必ずヒアリングしますよ。
また、においが消えないと思い悩むのは誰しも同じこと。
あなたもわきが対策をいろいろしたけど思うような効果が出ずに悩んでるから、僕の授業に出席してくれているのですよね。
その程度であれば、まだ何とかなるのです。
そう、その程度なら・・・。
自己臭恐怖症がエスカレートすると、恐ろしいことが起こる可能性が・・・
自己臭恐怖症が軽度であれば、先ほど述べたとおり、大した問題ではありません。
しかし、これが重度である、すなわち、「自分はわきがだ」という思い込みが激しくなり、「どうにかしなくては」という思いが大きくなりすぎると・・・。
重大な問題となり得ます。
これが、タイトルに「社会問題?」とした理由です。
では、重大な問題となってしまった例を紹介しましょう。
・「みんなが自分のことを臭いと思っている」と思い、家の外に一歩も出ない。家族とも顔を合わせない。
・「手術をしないとわきがが消えない!」と思い込み、手術してくれる病院を探し求める。
・「わきがの自分は生きている価値がない」と思い、自殺を考えるようになる。
もしかしたらあなたは信じられないかもしれません。
そして、もしかしたら・・・あなたもこのように思ったことがあるかもしれません。
僕たちわきがに携わる人が「自己臭恐怖症」を常に頭に置いている理由は、ここ。
「わきがでないのにわきがだと言っているかも?」程度ではなく、「わきがだと言っている、このクライアントの精神状態はどのようなものか」をつぶさに観察する必要があるのです。
「臭いと思ってるならこのクリームつけておけばよし!」
「においが気になるんなら手術しちゃえば?」
じゃないんですよ。そんな適当な気持ちで仕事してないですよ。
そのクライアントは人生賭けて相談している可能性があるのですから。
自己臭恐怖症の人が脇が手術を受けた、その顛末は
医療機関に、絶対起こしてほしくないミスはこれ。
そして、医師が最も気をつけているはずのことがこれ。
それは、
「自己臭恐怖症を見過ごして、わきがではない人の手術をしてしまう」こと。
だって、わきがじゃないんだから、手術しちゃだめでしょ!
手術した人がどうなるか、あなたにも想像つきますよね?
「わきがの手術したのに、においがぜんぜん消えないじゃないですか!!!!!」
絶対にそう言われます。
責任問題にもなりますし、何より、患者が深く傷つきます。
絶対にしてはいけないことです。
・・・もし、もしですよ。
「儲かるから」という理由で、安易に手術を勧めるような医師がいるとしたら・・・。
いや、考えるのはよしましょう。
でも、手術をお考えなら、必ず複数の病院・クリニックを受診しましょうね。
前回も言いましたけど。
自己臭恐怖症かどうか、少し考えてみて
念のため、あなたも、
「自分のにおいに過敏になりすぎていないかな?」
そう考えてみてください。
必要以上に悩んでいる可能性も、ないわけではありません。
チェック方法としては、
・たまにはデオドラント剤をつけない日を作り、においを比べてみる
・身近な人に嗅いでもらう(恥ずかしいですが)
・病院・クリニックを受診する
です。
次回は、「自己臭恐怖症だったらどういう対処をすればよいか?」
これを考えてみましょう。
今日は静かに集中して聴いてもらいたい授業でしたよ。
ホント問題なのよ、自己臭恐怖症は・・・。
以上、体臭防止アドバイザーのケイタでした!